特集 ケアマネジメントのこれから
地域における歯科連携とケアマネジメント
初山 昌平
1,2,3
1初山歯科医院
2一般社団法人和歌山県介護支援専門協会
3一般社団法人田辺西牟婁歯科医師会
pp.392-396
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200604
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はじめに
コンビニより数が多いといわれている歯科医院だが,訪問診療を実施している歯科医師は少ない。
基本的に,今まで歯科では,「訪問診療」という概念はなかった。人口構造の変化などにより,求められる歯科医療サービスに変化が起こってきた。筆者の大学時代(昭和50年代)は,それ以前のう蝕の洪水状態は収まりつつあったが,う蝕処置,補綴治療など歯の形態回復を中心とした歯科医院で完結型の歯科医療が中心で,「有病者治療」が口腔外科で講義され始めた時期だった。もちろん「歯科訪問診療」という単語は存在しなかったので,その教育も受けていない。
現在では,子どものう蝕はほとんどなくなった。また6年ごとに実施される歯科疾患実態調査では,平成元年に提唱された「8020運動」の達成者が平成5年には8.5%だったのが,平成17年には20%を超え,平成23年には40.2%と,近く50%超えることが予想されている1)。そういった歯科保健を取り巻く環境の変化に伴い,各ライフステージや身体の状況に応じた歯科保健サービスの提供ができる体制への転換,地域完結型の歯科医療提供体制の構築が必要とされるようになってきた。しかし,現実はまだまだの状態だ。
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