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はじめに
広島県の地域リハの推進は,介護保険制度の円滑な始動などに備え,国が実施した「地域リハ支援体制整備推進事業」において,県は平成13年に地域リハ広域支援センター,平成14年には県リハ支援センターを指定し,主に市町の介護予防事業への協力やリハにかかる研修会開催などが各二次保健医療圏域で行われたが,平成18年から県の単独事業に移行された後は予算面や資源偏在,行政,指定医療機関の温度差などの要因から活動は長く停滞傾向にあった。
進む少子高齢化の中で国は平成24年を「地域包括ケア元年」とし,全国に地域包括ケアシステムの構築を提唱しているが,広島県ではいち早く地域包括ケアシステム構築支援のため「広島県地域包括ケア推進センター(以下,推進センター)」を開設し,その柱の一つに地域リハが位置づけられた。目的は地域リハ支援体制の再構築と地域リハの啓発などである。
従来の地域リハ支援体制の推進と地域包括ケア推進センター事業での地域リハの体制づくりが一体化されたことにより,広島県の地域リハ推進事業は改めてその方向性が示され,事業は「高齢者の介護予防と生活の質の向上及び障害のある人々の自立や社会参加を支援するため,リハ支援センター,地域リハ広域支援センター等の指定を行うとともに,その活動の評価及び今後の方策等の検討を行い,地域におけるリハ支援体制の推進を図り,併せて県内の地域包括ケア体制の推進に寄与すること」を目的とすることが明示された。
現在これらの具現化に向けて,県内のリハ活動支援の施設(地域リハ広域支援センター,サポートセンター)の指定拡大および行政やリハ専門職間のネットワーク化は少しずつ進められている。今回,広島県の地域リハ推進の現状を紹介するとともに併せて県の地域包括ケア推進にかかわる指標や効果・評価の課題についても概説する。
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