巻頭言
「食介護」への取り組み
時田 佳代子
1,2
1社会福祉法人小田原福祉会
2潤生園暮らしのデザイン室
pp.188-189
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200557
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平成3年10月,高齢者総合福祉施設潤生園(以下,潤生園)は,「特養ホーム入居者の栄養摂取状況—痴呆性老人の身体・生活活動・栄養摂取の状況—」と題した研究により日本栄養改善学会から学会賞を授与されました。これは潤生園が日本で初めて世に出した「介護食」に対する評価でした。
受賞から遡ること約20年,潤生園では嚥下障害をもつ高齢者への介護に悩み,何か工夫ができないものかと試行錯誤を繰り返す日々が続いていました。脳卒中の後遺症や認知症の末期に合併症として出現してくる嚥下障害で,食事や水分が飲み込めなくなると熱発する…元気になって戻って来てほしいと期待して,やむなく医療機関へ搬送するものの,戻ることなく次々に亡くなっていくことに,職員たちは理由がわからず思い悩んでいました。
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