特集 これからの地域看護のかたち—訪問篇
離島での訪問看護
柿森 悦子
1
1長崎県看護協会訪問看護ステーション福江
pp.715-719
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200482
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はじめに
五島市は九州最西端に位置し,長崎市から西100kmの海上に福江島を中心とする11の有人島と52の無人島で構成されている(図1)。古くは遣唐使船の最終寄港地として知られ,江戸時代にはキリスト教徒が新天地を求めて移住してくるなど,島々には多種多様な歴史的文化背景がある。島民の通常生活においては歴史文化を重んじ,特に文化は医療や看護との結びつきの深さがある。小さな島でも地域により風習は異なるが,その一つひとつを大切にしながら訪問看護活動している。
五島市は人口約3万8,000人,高齢化率34%と高く,人口減少と高齢化は年々進んでいる(図2)。五島市の人口分布は福江島東部に60%が集中し,40%は福江島のそれぞれと,小離島に拡散している。図2に示すように福江島の人口集中地区に病院3カ所,診療所,また島内の4カ所の訪問看護ステーションすべてもこの地区にある。
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