特集 これからの地域看護のかたち—訪問篇
人間的で持続可能なケアと地域づくりに向けた移行—オランダ・ビュートゾルフを手がかりに
堀田 聰子
1
1国際医療福祉大学大学院
pp.709-713
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200481
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地域包括ケアをめぐる潮流
高齢化が進み,疾患構造が変化するなか,虚弱な高齢者,複数の疾患や障害を抱えながら生きる人々の増加を背景として,地域を基盤とする統合ケアは,わが国のみならず,特に1990年代以降の欧米各国におけるヘルスケア・ソーシャルケア改革に共通するチャレンジとなってきた。とりわけ後期高齢期には,複数の疾患を継続的に発症しながら死に至る軌道が知られており,寿命が延びるにつれて,病院で治す医療から地域で治し,支える医療への転換が求められることになる。
1970年代後半以降の人の暮らしを支える活動全般にわたる生活モデル化の進行,すなわちQOL(Quality of life)の増進を目標として当事者のおかれた状況をエコシステムとしてとらえるという支援観の浸透もまた,地域包括ケア化を必然的に伴うものとされる。
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