特集 介護保険とリハビリテーション
介護保険とリハビリテーション—訪問リハについて
宮田 昌司
1,2
1一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会
2医療法人社団輝生会法人本部
pp.188-193
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200334
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
平成27年度介護報酬改定についての認識
平成26年度に厚生労働省老人保健局が主催し,高齢者の地域におけるリハビリテーションの新たな在り方検討会(以下,高齢者リハ在り方検討会)が行われた。これは,平成16年度に開催された高齢者リハビリテーション研究会における課題1)に着目し,その後10年を経て当時の課題が解消されているかどうか,新たな課題の整理を含め再検討が行われた。結果,① 身体機能に偏ったリハが実施されている,② 個別性を重視した適時適切なリハビリテーションが実施できていない,③ 居宅サービスの効果的・効率的な連携ができていない,④ 高齢者の気概や意欲を引き出す取り組みが不十分であるなどの課題が改めて挙げられた2)。
一方,高齢者リハ在り方検討会と時期的に並行して開催された社会保障審議会・介護給付費分科会は介護報酬制度の観点からの平成27年度報酬改定に向け,具体的なサービス提供の指針を作成した。結論として,① 個別性を追求し,目標を活動と参加に主眼を置きつつも,バランスの良いアプローチを行う,② リハビリテーション・マネジメント(以下,リハ・マネジメント)の再構築,③ サービス特性を生かした効果・効率的な事業所の運用,④ 高齢者の意欲を引き出す取り組みの必要性などが骨子に盛り込まれ,平成27年度介護報酬改定がなされた3)。
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.