連載 感性の輝き・第32回
医療・介護専門職である前に一人の人として
糟谷 明範
1,2
1株式会社シンクハピネス
2LIC訪問看護リハビリテーション
pp.143
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200322
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2014年3月。PT10年目を迎える節目の年に私は訪問看護ステーションを開設した。このイベントは1つの通過点にしか過ぎず,その先に私の夢がある。【スタッフや利用者・家族,自分自身,そして街や住民の“いま”のしあわせを創る。】
PT 6年目に訪問リハを始めた頃,地域で働くPTとして何か違和感を覚えていた。病院は箱の中に患者と医療従事者がいる。地域では街の中に利用者や家族,医療従事者だけではなく,住民や福祉関係者などさまざまな人が暮らし,さまざまな環境があり社会資源が存在している。そんな中,PTとして目の前の利用者や家族だけを見ているだけで良いのだろうかと,悶々とした気持ちで日々のリハを行っていた。もちろん,PTとしてプロフェッショナルでいなければいけないが,私はPTである前にそこで暮らす1人の人である。
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