特集 先天異常児を出産した両親への援助
一人は皆のために、皆は一人のために
明 千恵
pp.220-224
発行日 1986年3月25日
Published Date 1986/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206837
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わが子の誕生
私たちにとって,初めての子,俊良(しゅんすけ)が生まれたのは15年前,あの当時を知っている方々で,今の我が家を想像した人は誰もいなかったでしょう。正直いって,私自身このような日日が送れるようになろうとは想像もしていませんでした。
結婚後の雑事からようやく解放され"さてこれから甘い新婚生活を"と夢見ていた矢先のつわり,不正出血,そのための絶対安静,注射,薬がわが子との出会いでした。妊娠は,嬉しさ,晴れがましさよりも,戸惑い,不安,諦めという感情の方が先に立ち,子供には申し訳ない出会いだったと思います。
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