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地域リハ活動支援
柳 今回,国が打ち出した介護予防・日常生活支援総合事業は,要支援の人や予防については市町村がよく考えて責任をもってくださいよということです。近い将来は要介護1,2もということになると思います。丸投げという意見もあるけれど,僕は任せてくれたのだと思っています。高齢者が病気になって要支援から要介護に一直線に落ちていくのを防ぐための仕組みを考える,保健師を含めた行政の専門職は組織としてその力が問われているし,パートナーとしてのリハ専門職は,質を高めていくために何ができるのかという力が問われている。僕は地域リハが1つのキーワードだと思っているのですが,まずは受けて立つほうのリハ専門職のお話を聞きましょう。岡持さんは埼玉県で組織化を目指していると聞いていますが,どういう状況ですか?
岡持 埼玉では地域リハビリテーション支援体制整備推進事業を平成15〜18年度までやっていました。でも国のモデル事業が終了すると同時に大幅に縮小してしまったので,あらためて平成25年9月から動き出しました。厚生労働省は市町村の地域事業にリハ専門職を活用していこうと言ってくれていますが,埼玉県のリハ専門職は80%が医療機関に所属しています。この人たちを市町村事業に活用するにはそれなりの仕組みが必要です。そこで県内の医師会をはじめ各職能団体と県の担当者が一緒に,地域リハビリテーション推進協議会というのを立ち上げるところから始まりました。63市町村10保健医療圏域の県内に5カ所の地域リハ・ケアサポートセンターを指定し,そこをリハ専門職種派遣の窓口にして,平成26年度344件,27年度は855件の派遣依頼をいただいています。平成30年までに埼玉県内63市町村全部に派遣できる体制が整うよう目標にしています。ただ,なかなか難しいのは,厚生労働省が描いた可愛らしい女の子が中心にある地域リハ活動支援事業の図がありますが,あれを現場はまだよく理解できていない。医療福祉が協働するためのノウハウも十分ではありませんでした。
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