巻頭言
リハビリテーション前置主義
園田 茂
1,2
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
2回復期リハビリテーション病棟協会
pp.628-629
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200195
- 有料閲覧
- 文献概要
2000年の介護保険導入当時,リハビリテーション前置主義(以下,リハ前置主義)という概念があった。過去形で言うのはおかしいかもしれないが,現在,回復期リハビリテーション病棟協会の研修の機会などで若手スタッフの皆さんに質問してみても,「リハ前置主義を聞いたことがない」との返事が大半を占めるため,あえて過去形とさせていただいた。
リハ前置主義は,リハにより障害の程度をできるだけ軽減して,その状況で必要な介護を提供すべき,という「手順」を示している。そうでないと,本来必要でない介護が与えられ,本人が自ら行う機会が閉ざされてしまう。しかし,今の介護保険審査では,リハにより改善し得る状況なのか否かを判断できるプロセスに乏しい。その時点での介護に要する時間から要介護度を判定する仕組みだからである。
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.