特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために
産科
前置胎盤
清水 哲也
1
Tetsuya Shimizu
1
1旭川医科大学産婦人科学教室
pp.439-443
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207192
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妊娠中期以降における性器出血の主原因の一つとしての前置胎盤の臨床的重要性は周知のところで,したがってその早期発見のため,本症に対する診断法として従来より種々の方法が考案されてきたが,いずれも満足できるものではなかった。しかし最近の超音波断層法の進歩により胎盤の映像化が安全かつ容易となり,妊娠早期より無症状前置胎盤の診断が可能で母児双方に対する予後の改善が期待できるようになってきている。しかしながら前置胎盤の治療および管理の面では出血による母体のリスクと早期娩出による児のリスクのバランスの上に立った最適な娩出時期,分娩様式の選択に苦慮することが多く未だ種々の問題が残されている現状である。ここでは超音波断層法を中心とした診断法と病態に基づいた母児相互の管理,治療方針について概説する。
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