特集 地域における透析患者のリハビリテーション
在宅における維持期透析患者への看護の実際
藤田 文子
1
1日本医療科学大学保健医療学部看護学科
pp.485-489
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200151
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はじめに
血液透析療法とは,腎不全によって体内の水分や電解質の調節が乱れ,老廃物が体内に蓄積した状態に対して,体外に導き出した血液を透析膜を介して透析液と接触させ,物質交換を行う治療法である。透析患者は,透析によって体内の余分な水分,老廃物を取り除き,電解質を調節し内部環境の平衡状態を維持している。正常な腎臓と比べて,透析による腎代替療法には限界があり,服薬による調整,水分や食事の制限が必要となる1)。維持期透析患者は,身体的には安定し透析に慣れ,生活の一部に透析を取り入れ生活の再編成を成す時期である2)。一方で残腎機能の低下に伴う尿量減少や合併症の出現など,身体状態の変化に見合った自己管理を行わなければならない。つまり,透析患者の身体状態は患者の生活行動によって反映されており,身体状態の変化は心理面に反映される。この時期の看護は,患者自身が透析における合併症の知識を持ち,自己管理が継続でき,QOLの維持・向上ができるよう支援することが重要となる。ここでは,在宅における自己管理の内容,透析患者のフィジカルアセスメントと自己管理の支援について述べる。
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