透析患者とその家族で取り組む合併症予防
メンタルヘルス 維持透析期および「透析終末期」
堀川 直史
1
1埼玉医科大学かわごえクリニック メンタルヘルス科
キーワード:
学習性無力感
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
精神保健
,
ターミナルケア
,
家族関係
,
患者心理
Keyword:
Family Relations
,
Helplessness, Learned
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Mental Health
,
Terminal Care
pp.1379-1388
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016051883
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維持透析期における患者のメンタルヘルスの問題は近年ますます重要になってきている.透析を含む新しい生活における自分の立場と価値をもう一度作り上げることが維持透析期の患者の課題であり,これに関係してさまざまな心理的問題や精神症状,さらに家族関係の問題が生じる.家族関係の問題への対応では,患者の社会的役割と家族内の立場に関する変化の十分な理解が重要であり,この理解を通して協力的な治療関係が生まれ,その後の相談が進みやすくなる.家族に対しても,心理的治療とケアを行うことが必要な場合もある.「透析終末期」は維持透析期とさまざまな点で異なる.透析終末期における患者と家族の心理,心理的治療とケアは今後の重要な検討課題である.
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