転移性脊椎腫瘍の画像診断

Imaging of Spinal Metastases

はじめに

　脊椎転移は日常診療で遭遇する頻度の高い疾患であり，各種の治療の発達により担癌患者の生命予後が改善してきている現在において，脊椎転移はそのactivities of daily living（ADL）を大きく低下させ得る病態である（いわゆる「がんロコモ」と呼ばれる）．これを早期発見し，適切な治療を行うことで患者の運動機能低下を防ぐことができ，社会全体の負担を軽減できる．早期発見，早期診断のために画像診断の果たす役割は大きい．本稿では，画像診断に用いられる各モダリティの知識や多彩な画像所見について概説する．