Japanese
English
特集 脊髄動静脈奇形の診断と治療
脊髄動静脈奇形の自然経過
Natural History of Spinal AVM
遠藤 俊毅
1
,
高橋 義晴
1
,
西澤 威人
1
,
佐々木 達也
1
Toshiki ENDO
1
,
Yoshiharu TAKAHASHI
1
,
Taketo NISHIZAWA
1
,
Tatsuya SASAKI
1
1東北医科薬科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tohoku Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
脊髄動静脈奇形
,
spinal AVM
,
うっ血性脊髄症
,
congestive myelopathy
,
くも膜下出血
,
subarachnoid hemorrhage
Keyword:
脊髄動静脈奇形
,
spinal AVM
,
うっ血性脊髄症
,
congestive myelopathy
,
くも膜下出血
,
subarachnoid hemorrhage
pp.555-560
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202359
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はじめに
脊髄動静脈奇形(spinal arteriovenous malformation:SAVM)は,脊髄あるいはその周囲の神経や硬膜を栄養する動脈と静脈の間に,正常な毛細血管網が介在しない病的な結合を有する疾患の総称である.分類には種々あるが20,21,27),現在,本邦では硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:DAVF),傍髄動静脈瘻(perimedullary AVF:PMAVF),脊髄髄内動静脈奇形(spinal medullary AVM:SMAVM),そして硬膜外動静脈瘻,神経根動静脈瘻を含む疾患群とする捉え方が一般的である2,28).これらの病変は,くも膜下出血,髄内出血,うっ血性脊髄症,さらには拡張した静脈性病変による脊髄あるいは神経根圧迫など,重篤な神経障害を引き起こす.その際,われわれは治療介入の時期とその方法を判断しなくてはならないが,そのためには疾患の自然歴の理解が重要である.自然歴と治療リスクを勘案して外科的治療介入を行うかどうかについて判断しなくてはならないためである.
本稿では,まずうっ血性脊髄症あるいはくも膜下出血で発症するDAVFの自然歴について述べる.続いて,PMAVF,SMAVMを合わせた疾患群の自然歴について,現時点での知見をまとめる.
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