超音波を使用した股関節内注射法

Intraarticular Hip Joint Injection Using Ultrasound

はじめに

　股関節疾患の診断・治療において，関節内注射は全例に必要な手技ではないが，症例によっては重要な役割がある．MRIなどの画像診断はより解像度などが鮮明になっており，関節造影の必要性はそれほど多くはない．しかし，画像のみでは治療方針の決定が困難な症例があり，関節内注射を必要とすることがある．股関節の関節内注射は他関節と比較して，関節が深部に存在することやランドマークが離れていることから，体表上からの確認で正確な穿刺を行うことは難しい．関節内に確実に注射するために超音波ガイド下穿刺を会得することは，股関節疾患の診断・治療に必須な手技である．本稿では関節内注射の目的および実際と超音波ガイド下穿刺について解説する．