Japanese
English
シンポジウム 癌性疼痛に対する各種治療法の適応と限界
癌性疼痛に対する放射線科的アプローチ
Radiotherapy for Cancer Pain
西尾 正道
1
,
加賀美 芳和
1
,
成松 直人
1
,
北原 利博
1
,
明神 美弥子
1
Masamichi Nishio
1
1国立札幌病院・北海道地方がんセンター放射線科
1Department of Radiology, National Sapporo Hospital・Hokkaido Cancer Center
キーワード:
癌性疼痛
,
cancer pain
,
転移性骨腫瘍
,
metastatic bone tumor
,
放射線治療
,
radiotherapy
Keyword:
癌性疼痛
,
cancer pain
,
転移性骨腫瘍
,
metastatic bone tumor
,
放射線治療
,
radiotherapy
pp.261-268
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901069
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抄録:1986年から1991年の期間に照射した転移性骨腫瘍498例(923部位)について照射による除痛に関する一次効果を検討した.原発部位では肺癌と乳癌が多く,照射部位に関しては脊柱骨と骨盤が多かったが,除痛効果には大きな差は認められなかった.全部位の除痛効果はCR=38%,PR=40%で奏功率(CR+PR)は78%であり,改善例も含めると89%の症例に放射線治療は有効であった.照射線量は1300ret以上でCR率も増加し治療効果が期待できる結果であった.骨転移に対する初回照射よりの498例の予後は1年生存率=31%,2年=17%,3年=9%,5年=4.5%であった.照射による除痛によりquality of lifeの改善,鎮痛剤使用量の減少,病的骨折の予防,入院期間の短縮などが期待できるが,poor prognosisの症例や障害発生が少ない部位ではshort course radiationで充分な除痛効果が得られることから,予後を考慮して個別化した照射法を選択すべきと思われた.
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