Japanese
English
特集 Parkinson病と脊椎
Parkinson病患者の周術期におけるチーム医療の重要性
The Importance of Team Healthcare for Patients with Parkinson Disease in the Perioperative Period
大江 慎
1
,
大和 雄
1
,
長谷川 智彦
1
,
吉田 剛
1
,
坂野 友啓
1
,
松山 幸弘
1
Shin OE
1
,
Yu YAMATO
1
,
Tomohiko HASEGAWA
1
,
Go YOSHIDA
1
,
Tomohiro BANNO
1
,
Yukihiro MATSUYAMA
1
1浜松医科大学整形外科長寿運動器疾患教育研究講座
1Department of Orthopedic Surgery and Geratric Musculoskeletal Health, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Parkinson病
,
Parkinson disease
,
周術期チーム医療
,
team healthcare in the perioperative period
,
合併症
,
complication
Keyword:
Parkinson病
,
Parkinson disease
,
周術期チーム医療
,
team healthcare in the perioperative period
,
合併症
,
complication
pp.679-682
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202168
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
Parkinson病(PD)は進行性の神経変性疾患で,そのほとんどは50歳以上で罹患する3).50歳以上を対象としたスウェーデンの大規模データベース研究で,その有病率は男性で1.6%(20,401人/ 1,302,242人),女性で1.0%(15,432人/ 1,473,494人),全体では1.3%(35,833人/ 2,775,736人)と報告されており18),日常臨床でよく遭遇する疾患といえる.そのため,PD症例に対する手術もよく行われているが,一般的にPDを合併している症例における脊椎手術では,死亡率や術後せん妄をはじめとする合併症の発生率が高いことが報告されている12).一方で,骨粗鬆症性椎体骨折に対する手術は保存加療よりも生命予後を改善するという報告や7),これまで積極的な手術は避けられていた成人脊柱変形手術においても短期成績は良好であるという報告もあり19),PD症例に対する手術に対しての周術期管理を知ることは非常に重要である.また,周術期に発生するさまざまな合併症に対しての術前からの予防や術後の適切な対応には,脊椎外科医だけではなく,図 1で挙げられるようなさまざまな職種の専門家からの多面的なアプローチが必須である.本稿では,各職種におけるPD患者との周術期管理の関わりについて述べる.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.