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はじめに
椎弓根スクリューの登場とともに,椎弓を切除して神経の除圧を行うことが主たる手技であった脊椎手術は大きく進歩した.スクリューを用いて椎体の位置をコントロールすることができるため,構造体としての脊椎のアライメントを手術により変えることができるようになった.その特性を生かして,現在では,スクリューを用いて椎体間固定を行うことと椎体の骨折整復や脊柱変形の矯正を行うことは神経の除圧とともに当たり前の手技となっている.
その一方で,スクリューなど人工物の不適切設置と逸脱という合併症が発生し,現在まで解決されないリスクとなっている.特に,椎弓根は内側に硬膜管,下方に神経根があり,その腹側に椎体がある複雑な構造であるため,その周囲にスクリューを挿入することは長管骨にスクリューを挿入することに比べて困難であるとされる.したがって,どの方法でスクリューを椎弓根に挿入したとしても,100%に近い確実な挿入が行われているわけではない1〜3).
スクリュー不適切設置リスクを軽減する目的で,1996年より脊椎分野でも光学式ナビゲーションが使用され,脊椎手術の安全性を担保してきた.その進歩は目覚ましく,さまざまな器械が上市されている.また,手術用ロボットによるアシストを含めたナビゲーションも行われ始めた.2022年には滅菌済み単回単眼カメラとナビゲーション本体をBluetoothでつなぐ新しいナビゲーションNEXTAR®(メダクタインターナショナル,スイス)が発売され,新しいナビゲーションとして使用できるようになった(図 1).
本稿では,NEXTARとWeb上アプリケーションを用いたスクリュープランニングの有用性について解説する.
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