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特集 術中脊髄機能モニタリングのUP TO DATE
脊磁図による脊髄・馬尾・神経根の機能評価
Evaluation of Spinal Cord, Cauda Equina, and Nerve Root Function by Magnetospinography
川端 茂徳
1
,
橋本 淳
2
,
吉井 俊貴
2
,
大川 淳
2
Shigenori KAWABATA
1
,
Jun HASHIMOTO
2
,
Toshitaka YOSHII
2
,
Atsushi OKAWA
2
1東京医科歯科大学先端技術医療応用学講座
2東京医科歯科大学整形外科
1Department of Advanced Technology in Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
脊磁図
,
magnetospinography
,
脊髄誘発磁界
,
spinal cord evoked magnetic field
,
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
Keyword:
脊磁図
,
magnetospinography
,
脊髄誘発磁界
,
spinal cord evoked magnetic field
,
脊髄誘発電位
,
spinal cord evoked potential
pp.131-134
発行日 2023年4月28日
Published Date 2023/4/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202033
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脊磁図(神経磁界計測)とは
脊磁図は,脊髄の神経電気活動により発生する磁界を体表から測定することで,硬膜外腔から記録した脊髄誘発電位と同等の脊髄機能評価ができる検査法である.従来の電気生理学的検査は,神経電気活動を電圧(電位)として計測しているため,神経周囲組織の導電率(電気抵抗)の影響を強く受ける.特に,体表から深く,電気抵抗の高い脊椎(骨組織)内の神経活動は,体表に届くまでに大きく歪められてしまうため,体表からでは正確に評価することは困難である.このため,脊髄・馬尾・神経根の電気活動は,これまで硬膜外腔や神経近傍に電極を設置しなくては評価することができなかった.
一方,神経の活動により電流が流れると,その周囲に右ねじの法則に従って磁場が発生する.磁場は周囲の生体組織の影響をほとんど受けないため,歪みのない磁場を体表から測定することが可能である.測定された磁場を逆計算することで,体内の電気活動を高い空間精度で,単純X線像,MRI画像などの形態画像に重ね合わせて可視化することができ,現在,頸椎から腰椎までの脊髄・馬尾・神経根の機能評価を体表から評価できるまでに進歩している4).
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