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特集 医工連携と腰痛
新たな筋骨格モデルを用いた脊柱後弯患者における股関節間力,椎間板負荷の解析
Analysis of Hip Joint Contact Force and Intervertebral Disc Pressure in the Adult Spinal Deformity Patients Using the Novel Musculoskeletal Modeling
三浦 隆徳
1
,
粕川 雄司
2
,
本郷 道生
3
,
宮腰 尚久
3
Takanori MIURA
1
,
Yuji KASUKAWA
2
,
Michio HONGO
3
,
Naohisa MIYAKOSHI
3
1市立田沢湖病院整形外科
2秋田大学医学部附属病院リハビリテーション科
3秋田大学大学院整形外科学講座
1Department of Orthopedic Surgery, Tazawako Hospital
キーワード:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
変形性股関節症
,
hip osteoarthritis
,
筋骨格モデル
,
musculoskeletal modeling
Keyword:
成人脊柱変形
,
adult spinal deformity
,
変形性股関節症
,
hip osteoarthritis
,
筋骨格モデル
,
musculoskeletal modeling
pp.303-308
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201845
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はじめに
日本を含む先進国では,高齢化により脊椎変性疾患や変形性股関節症(osteoarthritis:OA)の患者も増加傾向にあり,脊柱後弯などの成人脊柱変形(adult spinal deformity:ASD)は生活の質(QOL)の低下や腰痛と関連することが明らかとなっている17,28).しかし,脊柱変化による腰痛の原因は多岐に及ぶことから,その原因の同定は困難である.また,脊椎と股関節は隣接関節であり,相互に影響し合うことからHip-spine syndromeの概念が提唱されているが18),Hip-spine syndromeは代償動作や動的因子が関与しており病態が複雑であること,関節間力など生体内力の実測は侵襲的で困難であることから病態解明は不十分である.そこで,現在はコンピュータの発展とともに,人体を模した数理モデルを用いて動態解析を行い,生体内力を定量的に算出する手法が数多く報告されており,定量性・非侵襲性から臨床的に有用である.本稿では,Hip-spine syndromeの病態と腰痛との関連,筋骨格モデルの現状と,われわれの作製したモデルを用いた脊柱後弯患者における股関節間力,椎間板負荷の解析について解説する.
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