特集 医工連携と腰痛
特集にあたって
山崎 正志
1
1筑波大学医学医療系整形外科
pp.289
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201842
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近年,医工連携によって腰痛の機序を解明し,診断・治療につなげる研究の進歩が著しい.歩行解析を含めた3次元動作解析,筋のシナジー解析などの研究が挙げられる.また,ロボットリハビリテーションをはじめとする新たな腰痛治療の可能性も提示されている.さらに最近では,腰痛と医工連携の“工”には,機械工学のみならず,IT技術などの情報工学も含まれるとの解釈が主流であり,AIを含めた新たな研究が展開されつつある.
歩行解析・3次元動作解析は成人脊柱変形の病態を解析するうえで重要な研究手法であり,多くの施設で研究が進められている.施設ごとにさまざまな工夫がなされており,体幹下肢筋活動を同時に評価する研究,3D慣性センサーを用いて加速度を加味して評価する研究,シミュレーションモデルを併用する研究などがある.それぞれの研究の特徴,利点を知りたいところである.ヒトが立位姿勢という恒常性を保つには,固有感覚機能が重要な役割を果たす.腰痛と固有感覚機能の関連についての情報がほしい.
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