- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
側方進入腰椎椎体間固定術(LLIF)を主なテーマとする日本脊椎前方側方進入手術研究会(Japanese Research Society of Anterior and Lateral Approach Spine Surgery:JALAS)が,全国の若手中堅脊椎外科医を中心として2015年に組織された.これまでに3回の研究会が開かれたが,267名(第1回),322名(第2回),333名(第3回)と,いずれも多くの脊椎外科医の参加があり,従来の学会・研究会にはない独特な雰囲気の活気ある会である.参加している先生方から,ぜひともLLIFの手技を習得したいという強い思いが伝わってくる,そのような感があった.また,ほかの脊椎外科関連の学会においても,LLIFのセッションには,ひときわ多くの医師が集まっている.おそらくは,本邦の多くの脊椎外科医が腰椎前方固定術に興味はあったものの,従来の方法では難度が高く,容易には取り組めなかった.しかしながら,近年,LLIFの手技が本邦に導入され,比較的容易に腰椎前方固定術が施行できる状況になってきた.多くの脊椎外科医が,LLIFに関心を寄せるのは,上述の理由によるものと推察する.一方では,LLIFの術中合併症としての腸管損傷による死亡例の報告があり,大きな問題として取り上げられている.本特集を企画するにあたっては,手術の手技,成績から合併症までを含む,総括的なLLIFの特集を組んでみたいと考え,表題を「側方進入腰椎椎体間固定術(LLIF)—手術手技,成績,合併症」として編集を進めた.
LLIFでは,腰椎へ側方からアプローチする.従来の腰椎手術では,通常,前方あるいは後方からのアプローチを用いていたので,われわれにとっては馴染みの薄いアプローチである.展開する領域について,手術に役立つ解剖を習得せねばならない.また,本邦では現時点で,OLIFとXLIFの2つの手技が行われている.その基本的な手技の習得は必須である.
Copyright © 2017, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.