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特集 脊椎・脊髄感染症の診断と治療—最近の知見
髄膜炎の診断と治療—最近の知見
Meningitis: Up Date on the Diagnosis and Clinical Managements of Patients
中嶋 秀人
1
Hideto NAKAJIMA
1
1日本大学神経内科
1Division of Neurology, Department of Medicine, Nihon University
キーワード:
髄膜炎
,
meningitis
,
マルチプレックスPCR
,
multiplex PCR
,
FilmArray®髄膜炎・脳炎パネル
,
FilmArray meningitis/encephalitis panel
Keyword:
髄膜炎
,
meningitis
,
マルチプレックスPCR
,
multiplex PCR
,
FilmArray®髄膜炎・脳炎パネル
,
FilmArray meningitis/encephalitis panel
pp.177-182
発行日 2022年8月9日
Published Date 2022/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201818
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はじめに
髄膜炎は脳の表面を覆う髄膜に,脳炎は脳実質に炎症を起こす疾患であり,重症化すると恒久的な脳損傷による重篤な後遺症や致死的転帰も招くことがある.特に高齢者や治療開始時に意識障害が高度な場合は予後が不良になることが多く,注意が必要である.そのため,神経救急疾患として迅速な診断と早期に的確な治療を開始することが重要である.実際には,髄膜炎・脳炎が疑われれば確定診断がつかなくとも推測される病原体に対する治療を開始する必要があり,速やかに原因病原体を同定することが困難な場合は,可能性のある複数の病原体に対する治療を同時に行うことも必要である(図 1).本稿では,髄膜炎の新しい治療として臨床応用が期待されているマルチプレックスPCR検査を取り上げるとともに,細菌性髄膜炎,結核性髄膜炎,単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)と水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)による髄膜炎について最近の知見を概説する.
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