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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-117
C2神経鞘腫に対する後方片側開創による顕微鏡下全摘出術
Microscopic Total Resection of Spinal Nerve Sheath Tumors Originating from C2 of High Cervical Spine Using Posterior Unilateral Approach
内藤 堅太郎
1
,
山縣 徹
2
,
髙見 俊宏
1
Kentaro NAITO
1
,
Toru YAMAGATA
2
,
Toshihiro TAKAMI
1
1大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科
2大阪市立総合医療センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka City University Graduate School of Medicine
pp.749-756
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201469
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手術適応
上位頸椎レベルの解剖学的構造はほかの頸椎レベルとは異なり,脊椎骨に囲まれた椎間孔が存在せず,外側椎間関節の背側に神経節が位置する.そのため,腫瘍は外側へ進展しやすく,また上位頸椎レベルでは硬膜管内径が大きいため,症状発現時には腫瘍サイズが大きく発育していることは決してまれではない.術前MRIでは腫瘍と脊髄硬膜との解剖学的関係が判断困難な場合も,硬膜内に腫瘍が進展していることも多い.近接する椎骨動脈のみならず,その周囲を取り巻く静脈叢にも注意が必要である.上位頸椎レベルの神経鞘腫においては,基本的に神経節を中心に大きく発育しているため,脊柱管腹側に進展する場合を含めて,多くの場合が後方片側到達法にて安全に腫瘍摘出が可能である.ただし,椎骨動脈を越えて前外側へ腫瘍が大きく進展する場合には,椎骨動脈を安全にコントロールすることを最優先とするため,筆者らの施設では上位頸椎側方到達法を選択している.本稿では,腫瘍が椎骨動脈の前方進展はないものの,外側椎間関節の背側で硬膜内・外に増大したC2神経鞘腫(図 1)に対する後方片側開創による顕微鏡下全摘出術を紹介する.
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