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特集 脊柱靭帯骨化症UP TO DATE
びまん性特発性骨増殖症に伴った脊椎損傷
Spinal Fracture in the Patients with Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis
岡田 英次朗
1
,
松本 守雄
1
Eijiro OKADA
1
,
Morio MATSUMOTO
1
1慶應義塾大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
脊椎損傷
,
spinal fracture
,
びまん性特発性骨増殖症
,
diffuse idiopathic skeletal hyperostosis
,
多施設研究
,
multi-center study
Keyword:
脊椎損傷
,
spinal fracture
,
びまん性特発性骨増殖症
,
diffuse idiopathic skeletal hyperostosis
,
多施設研究
,
multi-center study
pp.133-137
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201312
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はじめに
びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)は,主に中年以降の高齢者に多くみられる脊柱強直性病変14)である.進行すると脊椎可動域制限をきたすが,多くの症例では無症状に進行するため,これまで独立した1つの疾患として注目されてこなかった.一方で,ひとたび外力が加わった際には可撓性のない脊椎は容易に破綻し脊椎損傷をきたすことが報告されてきた7,9〜11).DISHを合併した脊椎損傷では,通常の保存治療では遅発性麻痺が出現する可能性が高く,治療経過中の合併症が多くみられることから,特殊な脊椎損傷であることが単施設からの症例報告やケースシリーズにより報告されてきた2,6,7,16).高齢社会を迎えたわが国では,高齢者の脊椎損傷を診療する機会が増加しており,DISHを合併した脊椎損傷の治療を担当する機会が増加してきた.しかしながら,その病態はいまだ不明であり,治療に対するコンセンサスは存在しなかった.そのため,厚生労働省の脊柱靭帯骨化症調査研究班による全国多施設前向き研究が行われた12).本稿では,全国多施設後ろ向き研究の結果を報告するとともに,現在進行中の前向き研究についてその概要を記述する.
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