Japanese
English
特集 脊椎脊髄MRI再入門—これだけは知っておこう
MR neurographyで知っておくべきこと—画像の成り立ちと撮影時の注意
Magnetic Resonance Neurography of Lumbar Spine
牧 聡
1
,
江口 和
1
,
平山 次郎
2
,
横田 元
3
,
松本 浩史
4
,
大鳥 精司
1
Satoshi MAKI
1
,
Yawara EGUCHI
1
,
Jiro HIRAYAMA
2
,
Hajime YOKOTA
3
,
Hiroshi MATSUMOTO
4
,
Seiji OHTORI
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2千葉メディカルセンター整形外科
3千葉大学大学院医学研究院画像診断・放射線腫瘍学
4千葉大学医学部付属病院放射線部
1Department of Orthopaedic Surgery, Chiba University Graduate School of Medicine
キーワード:
MRニューログラフィー
,
magnetic resonance neurography
,
拡散テンソル画像
,
diffusion tensor imaging
,
腰椎
,
lumbar spine
Keyword:
MRニューログラフィー
,
magnetic resonance neurography
,
拡散テンソル画像
,
diffusion tensor imaging
,
腰椎
,
lumbar spine
pp.37-45
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201290
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はじめに
MR neurography(MRN)は,T2強調像および拡散強調像(diffusion-weighted image:DWI)を用いて,末梢神経と病変を任意の断面や方向から視覚化する技術である7).従来のシークエンスでは神経そのものを描出することは難しく,神経走行路(椎間孔など)を評価することで間接的に神経障害の度合いをみていたが,MRNでは神経障害・神経疾患を直接描出できるようになった.
腰椎椎間孔狭窄や外側型椎間板ヘルニアの画像診断は依然として容易ではなく,見落とされやすいためfailed back surgeryの一因となる.正常ではMRI矢状断像で神経根周囲に脂肪組織を認めるが,椎間孔狭窄では椎間孔内の脂肪組織の消失を認める12).しかし,画像上は偽陽性が多く,診断は難しい.神経根症状とMRNや神経根ブロック,神経根造影などから総合的に判断する必要がある.
MRNは,腰椎椎間孔狭窄や外側型椎間板ヘルニアの診断に有用であると報告されている2).本稿では,MRNの技術的な注意事項について説明し,腰椎疾患を中心にMRN所見をレビューし,前臨床段階ではあるが診断や治療法の決定に有用であるMRNの手法についても言及する.
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