Nomade
脊椎外科医が「脊椎動物」として思うこと
大島 寧
1
1東京大学整形外科
pp.3-4
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201280
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「ブラキオサウルスはキョウリュウだよ.クビナガリュウはキョウリュウじゃないよ,ギョリュウ」
3歳の息子のコメントである.首が長い恐竜であるブラキオサウルスをつい「首長竜」と言った私の誤りを指摘された.ブラキオサウルスをご存知ない方のために簡単に解説すると,竜脚形類といわれる首が長い草食恐竜であり,全長が20〜30m,体重30トン以上とされる.首が非常に長く10mくらいあるのだが,キリンと異なり上方ではなく前方に伸びている.一方,首長竜は「のび太の恐竜」に出てくるピー助のような四肢がヒレになっている大型爬虫類で,魚竜といって恐竜ではない.私は頸椎をsubspecialtyにしているが,さすがに恐竜は専門外なので,息子に軍配が上がったことになる.パラサウロロフス,プシッタコサウルス,マジュンガサウルス…….まだ舌足らずなのによくカタカナの名前を覚えるものだと感心する日々だが,確かに恐竜は面白く,奥が深い.先日,ニューヨークに行った際に恐竜見たさに自然史博物館を訪れた.巨大な骨格に圧倒されながら考えてしまう.こんなに大きい骨だったらラミネクトミーや固定をするのも一苦労だろう.
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