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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-107
前仙骨髄膜瘤(anterior sacral meningocele:ASM)に対する手術
Surgical Strategy for Anterior Sacral Meningocele
君和田 友美
1
,
白根 礼造
1
Tomomi KIMIWADA
1
,
Reizo SHIRANE
1
1宮城県立こども病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Miyagi Children's Hospital
pp.641-645
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201167
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適応疾患
前仙骨髄膜瘤(anterior sacral meningocele:ASM)は,Currarino症候群として知られる直腸肛門奇形・仙骨奇形・前仙骨部腫瘤を主症状とする先天奇形の1徴候である1).前仙骨部腫瘤としては,ASMや成熟奇形腫が多いが,脂肪腫や類皮腫/類上皮腫なども認められる.ASMには脊髄係留を呈するものと呈さないものがあり,脊髄係留を呈さない場合の手術目的は硬膜管の形成(ASMと硬膜管の交通を断つ)のみであるが,脊髄係留を呈する場合は,硬膜管形成+脊髄係留解除である.硬膜管形成+脊髄係留解除術と前仙骨部腫瘤摘出術を同時に行う報告もあるが,われわれの施設では髄膜炎などの感染リスクを考慮し,硬膜管形成+脊髄係留解除術を先行し,硬膜管とASMの交通を断ったのち,術後3カ月以上あけて小児外科にて前仙骨部腫瘤摘出術を行っている.
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