Japanese
English
特集 始まった! 脊椎ロボット手術
脊椎ロボット手術の歴史と展望
History and Outlook of Spinal Robotics Surgery
根尾 昌志
1
Masashi NEO
1
1大阪医科薬科大学整形外科学教室
1Department of Orhopaedic Surgery, Osaka Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
ナビゲーション
,
navigation
,
手術用ロボット
,
robotic surgery
,
インストゥルメンテーション
,
instrumentation
Keyword:
ナビゲーション
,
navigation
,
手術用ロボット
,
robotic surgery
,
インストゥルメンテーション
,
instrumentation
pp.4-9
発行日 2024年1月26日
Published Date 2024/1/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202245
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
コンピュータの進歩に伴い,1980年代からコンピュータ支援手術が発展してきた.特に,剛性が高い骨組織はその立体的・空間的位置をコンピュータが把握しやすいため,ナビゲーション技術がまず実用化された.脊椎外科で使われるロボットは,内臓や血管など軟らかい組織を扱う人間の手の動きをより正確により滑らかに再現するda Vinciなどとは概念が異なり,計画通りに骨削掘,インプラント設置をするものである.そのためには骨の空間的位置を正確に把握することが必須であり,ナビゲーション技術が実用化されて初めてこの分野のロボット技術も発展してきたのである.
上記概念で最初に使用された手術支援ロボットは,ROBODOC®(Integrated Surgical Systems Inc, Sacrament, CA, USA)である.これは,人工股関節手術における正確な大腿骨削掘を目的としたロボットで,1992年からヒトへの応用が始まった.脳神経外科領域ではNeuroMate®(Integrated Surgical Systems Inc)が1997年に市販された.狙った脳の深部に正確に電極を埋め込むためのロボットで,これによってロボットアームがサブミリメートルの精度でインプラント設置できる可能性のあることが示された.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.