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特集 脊椎・脊髄MRIのピットフォール—アーチファクトと偶発所見
下位腰椎・仙椎MRIでのピットフォール—遭遇する可能性のある骨盤内病変を中心に
MRI of the Lower Lumbar Spine and Sacrum:Diagnostic Pitfalls
北村 範子
1
,
稲岡 努
1
,
中塚 智也
1
,
榊原 隆次
2
,
寺田 一志
1
Noriko KITAMURA
1
,
Tsutomu INAOKA
1
,
Tomoya NAKATSUKA
1
,
Ryuji SAKAKIBARA
2
,
Hitoshi TERADA
1
1東邦大学佐倉病院放射線科
2東邦大学佐倉病院内科
1Department of Radiology, Toho University Sakura Medical Center
キーワード:
下位腰椎(lower lumbar spine)
,
仙椎(sacrum)
,
MRI
Keyword:
下位腰椎(lower lumbar spine)
,
仙椎(sacrum)
,
MRI
pp.849-856
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200709
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はじめに
下位腰椎・仙椎レベルでの症状として腰痛,殿部痛などで画像検査が依頼され,骨盤内臓器に起因することも少なくない.撮像範囲内に含まれるすべての臓器を観察することは,ほかの領域と同様に当然のことだと思われるが,偶然に観察された病変の対処に困惑することもあると思われる.撮像では,腰椎MRIとして依頼された場合,胸腰椎移行部をしっかりと撮像範囲に入れるため,仙骨レベルはある程度限られ,骨盤内の観察も限られたものになる.仙骨MRIとした場合には,特に仙尾骨での軽微な骨折などを観察の目的とする以外では,骨盤MRIとして依頼したほうが情報量は増えて有益である.逆に,腰椎レベルの観察は限られたものとなる.検査の依頼目的をしっかり伝えることが重要である.本稿では,最初に下位腰椎・仙椎MRIでの撮像上の注意点,続いて腰椎MRI,仙椎MRIで偶発的に写る可能性のある骨盤内病変,骨盤内病変として日常診療で目にする機会の多いものについて腰椎MRI,骨盤MRIを提示し,読影上のポイントについて概説したい.
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