Nomade
「いろはかるた」で息抜きを
高橋 忍
1
1日野記念病院滋賀脊椎センター
pp.801-802
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200697
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大学病院や都市部の総合病院に手術対象患者が紹介されてくるのは,当たり前のことである.もとより周辺人口が多いうえに,病院のブランド力・全科総合力と,人の流れの勾配があるからだ.そういう病院にいて紹介患者が増えないのは何か問題があるのだ.私の外科医としての真骨頂は,交通の不便な田舎の小さな病院に,手術を受けるために患者が遠方からわざわざ訪ねてくるところにある.
滋賀脊椎センターは,発足後数年にして,滋賀県・京都府を含む近隣府県の中で最も多くの手術希望患者が集まる施設となった.現在4人の医師が密度の高い仕事をしているが,特記すべきは,手術室も病棟も,ナースや助手たちが実によい仕事をして,強力なチームになっていることだ.彼女たちはとても忙しそうだが,患者のためならいつも前向きに快く対応してくれる.仕事スペースは隅々までおそろしく整理整頓されていて,しかも日々それに修正と改善が加えられていく.秘書たちは,緻密な仕事と行き届いた配慮でわれわれをサポートしてくれる.異職種間のコミュニケーションも風通しが良好だ.当然ながら患者の評価は高くなり,口コミが次の手術患者を呼んでくる.一方で,7年前のセンター発足準備中から「働きかた改革」を積極的に進めてきた.業務の無駄や不合理を是正するとともに,診療業績を増やしながら医師の勤務時間短縮を実現している.私はこの職場とチームが好きで,それはとても幸せなことだと思う.
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