Japanese
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特集 脊椎外傷—捻挫から脊髄損傷まで
第4章 脊髄損傷
脊髄再生の最前線—基礎研究から臨床応用へ
Regenerative Medicine for Spinal Cord Injury from Bench to Bedside
名越 慈人
1
,
中村 雅也
1
Narihito NAGOSHI
1
,
Masaya NAKAMURA
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University
キーワード:
脊髄損傷(spinal cord injury)
,
細胞移植(cell transplantation)
,
薬剤治療(medication therapy)
Keyword:
脊髄損傷(spinal cord injury)
,
細胞移植(cell transplantation)
,
薬剤治療(medication therapy)
pp.491-499
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200373
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はじめに
以前は交通事故やスポーツなど,脊髄損傷は主に若年者の外傷と考えられていた.しかし,高齢化社会を迎えた現在,転倒などの軽微な外傷による高齢者の脊髄損傷発生の頻度が増加している.脊髄損傷に対する従来の治療は,①外傷による脊椎不安定性を取り除くための早期除圧固定術,および②残存機能を最大限に高めquality of life(QOL)の向上を図るためのリハビリテーションの対症療法に限られており,損傷した脊髄そのものを再生させる治療法は存在しない.
近年さまざまな基礎的研究のアプローチを用いて,脊髄損傷に対する治療の開発が急速に進んでいる.大きく分けて細胞移植と薬剤投与の2つの研究が主軸であり,十分な基礎的データの蓄積に基づき,世界中で大規模な臨床治験が進行している.本稿では,神経幹細胞および薬剤を用いた最新の基礎研究について概説し,国内外で進行中の臨床治験について紹介したい.
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