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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-86
開放性二分脊椎の修復術
Spina Bifida Aperta Repair
吉藤 和久
1
Kazuhisa YOSHIFUJI
1
1北海道立子ども総合医療・療育センター脳神経外科
1Division of Neurosurgery, Hokkaido Medical Center for Child Health and Rehabilitation
pp.87-94
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200294
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はじめに
開放性二分脊椎(spina bifida aperta)は,神経管閉鎖不全症(neural tube defect)のうち正常皮膚が欠損しているものをさす.脊髄髄膜瘤(myelomeningocele),脊髄披裂(myeloschisis)も基本的に同じ病態であるが,neural placode(中心管を形成せず背側が開いた脊髄)が,くも膜下腔の拡大とともに囊状に突出した状態を脊髄髄膜瘤(図1),突出していない状態を脊髄披裂という.病変の大きさや高位,脊椎の奇形や後弯の程度,ほかの脊髄奇形合併などのため,病態は幅があり単純ではない.それぞれの症例に即した対応が必要であるが,本稿では典型例の手術手技を述べたい.修復術は二分脊椎診療の出発点として重要であるが, 生涯にわたる脳神経外科サポート(水頭症,再係留,脊髄空洞),ならびに他診療科連携(排尿・排便障害,下肢麻痺・変形,脊柱変形,褥瘡)も劣らず大切である.
修復術の目的,適応,時期
感染予防,神経損傷予防,係留解除が目的である.ほかに治療困難で生命維持できない重度の合併疾患をもたない限り,全例治療対象である.生後48〜72時間以内の手術が推奨される.
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