Japanese
English
特集 脊髄囊胞性疾患に対する外科治療
椎間関節囊腫
Facet Cyst
高橋 敏行
1
,
花北 順哉
1
,
河岡 大悟
1
,
大竹 安史
1
,
清水 寛平
1
,
舟越 勇介
1
Toshiyuki TAKAHASHI
1
,
Junya HANAKITA
1
,
Taigo KAWAOKA
1
,
Yasufumi OHTAKE
1
,
Kampei SHIMIZU
1
,
Yusuke FUNAKOSHI
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
1Spinal Disorders Center, Fujieda Heisei Memorial Hospital
キーワード:
囊腫性病変(cystic lesion)
,
椎間関節(facet joint)
,
滑膜組織(synovial tissue)
Keyword:
囊腫性病変(cystic lesion)
,
椎間関節(facet joint)
,
滑膜組織(synovial tissue)
pp.889-895
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200227
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はじめに
脊柱管内に生じる囊腫性疾患は,神経組織である髄膜由来のものと,髄膜以外の脊柱構造物より発生するものに大別され,後者では靭帯,椎間板,椎間関節包などが関連する.特に,椎間関節近傍に生じる硬膜外囊腫性病変は,これらの中でも頻度が高く,椎間関節の加齢変化を随伴し滑膜組織も含まれるため,synovial cystとして報告されているものが多い.しかしながら,同部位の病変はganglion cyst,pseudocyst,juxtafacet cyst,facet cystなどのさまざまな呼称もあり,椎間関節造影を含む画像診断法の種類や質,病理診断の有無と摘出標本の温存性,術中所見の観察状況など報告によって診断定義の差異も大きい.したがって,現在でも明確な分類や名称の統一化はされていないため,本稿では上記呼称を含めた椎間関節近傍の硬膜外囊腫性病変を,椎間関節囊腫(facet cyst)としてまとめ,外科治療法の選択や治療成績を含め概説する.また,本文中の解説ではできるだけ引用文献の呼称を使用させていただいたので留意願いたい.
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