特集 脊椎脊髄の冠名徴候・症候群
特集にあたって
德橋 泰明
1
1日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野
pp.231
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200059
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今号の特集は「脊椎脊髄の冠名徴候・症候群」です.冠名徴候・症候群は,先人たちが観察研究の中でみつけた優れた業績の結晶です.その人がいくら自分の名前をつけても,ほかの人が引用しなければ,年月とともに自然に消えてしまいます.したがって,現在使用されている冠名徴候・症候群は,何十年,場合によっては百年以上の年月にわたって引用,利用されてきたわけです.現代の生理学や解剖学などの基礎医学の十分な進歩のなかった時代に発見されてきたわけですから,先人たちの優れた観察力と分析力には敬服せざるを得ません.
最初の原著の中には,30行程度の記載しかないものもあります.政治的,環境的な影響でpriorityの点で問題のあった徴候・症候群もありました.また,原著のほとんどが症例報告から始まっています.このような冠名徴候・症候群の確立を想起すると,あらためて症例報告を作成するときの視点,着眼点の重要性をつくづく考えさせられます.
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