ふぉーらむ
目の前の対象者から作業療法の効果を見いだすためには?—シングルケースデザインの活用
丁子 雄希
1
,
金子 隆生
2
,
鹿田 将隆
3
,
徳地 亮
4
,
佐野 哲也
5
,
籔脇 健司
6
1新潟リハビリテーション大学
2山形県立中央病院
3常葉大学
4川崎医療福祉大学
5聖隷クリストファー大学
6東北福祉大学
pp.1298-1301
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001204028
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1.はじめに
作業療法では,長年にわたりevidence based practice(EBP)の重要性が謳われており,介入の有効性について検証することが求められている.研究のエビデンスの質を示す階層ピラミッドでは,メタアナリシスやランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)が上位層にあり,ケースレポートや専門家の意見は下位層に位置している.そのため,臨床家や研究者によっては,上位層から得られた知見に高い信頼性や妥当性があり,臨床の意思決定に大きく寄与すると考えるのに対し,下位層に位置するデザインは軽視しやすい傾向がある.
多くの臨床家は,「自身の作業療法介入が本当に目の前の対象者に効果があるのか」に関心が高いと思われる.では,どのようにして臨床家はEBPを踏まえたうえで,目の前の対象者に対して作業療法の効果を検証できるのだろうか.本稿では,1例からでも効果検証を可能とするシングルケースデザイン(singe-case design:SCD)の手法について紹介する.
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