提言
物語を紡ぐ作業療法を
渡邊 基子
1
Motoko Watanabe
1
1訪問看護ステーションあさひだい
pp.1304-1305
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203210
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はじめに
OTとなり,リハ病院,介護老人保健施設,療養型病院での臨床を経て,現在は訪問看護ステーションで訪問作業療法に従事している.訪問看護ステーションからの訪問なので,対象者は医療依存度が高い方や難病を有している方も多くいらっしゃる.また,独居や老々介護,足の踏み場もないほどゴミが散乱した居室,介護保険料未納のため本当に必要なサービスが利用できない方など,さまざまな環境で生活されている.一方で,何も心配することがなく本当に幸せだとおっしゃる方や,90歳となり今まで生きてこられたお礼に社会の役に立つことがしたいとおっしゃる方など,対象者からパワーをもらうことも多々ある.
基本的には週1回の訪問であるが,毎回そこにはドラマがあり,その連続ドラマが長く続く方もいれば,途中で入院となり途切れてしまう方や数回で終了となってしまう方もいる.その連続ドラマは○○さんの人生の物語そのものである.私は,対象者のオリジナルな物語を紡ぐサポートをしたいと思っている.ここでは,訪問業務の中で私が常々考えていることを徒然と書かせていただく.
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