巻頭カラー連載
アフリカが紡ぐ命の物語・7
井上 冬彦
1
1井上胃腸科・内科クリニック
pp.589
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101033
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毎年,タンザニア・セレンゲティ国立公園から移動してきたヌーの大群は隣接するケニア・マサイマラに入り,途中に流れるマラ川を渡っていく.その渡りを見たのは今までに100回以上.小さな渡りから1万頭を超える壮大なものまで,場所と規模は違うがその都度感動があった.しかし,写真となると話は別である.あの感動を伝えるのが難しい.最初に撮った写真がそれなりに満足いくものだったが,以後それを超えるものが撮れていなかった.今思えば,興奮のあまり,考えずにただシャッターを押していただけだったのかもしれない.
2006年9月,開業して初めてのアフリカ.狙いは川渡りに絞っていたが,渇水のために水量は少なく,乾燥による土埃がひどく,渡りが始まってしばらくすると視界がぼやけてしまう悪条件だった.この条件でどう撮るか.今回は考える余裕があっただけでなく,新規に導入したデジカメが役立った.毎晩,映像を確認し,作戦を練って撮ったのがこの1枚.悪条件ゆえにあえて群れを撮らずに1頭のジャンプに絞った.
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