学会・研修会印象記
第18回世界作業療法学会
小川 真寛
1
1神戸学院大学
pp.1280
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203200
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パンデミック第七波の真っただ中,花の都パリで開催された第18回世界作業療法学会(18th WFOT Congress)に現地参加した.学会には2,700人ものOTが世界から集結した.ハイブリッドでの参加も合わせると参加者は1万人に上り,演題数は約1,700演題と,世界の作業療法の基幹学会として,ふさわしい規模の学会であった.
今回の私の学会参加の一番の目的は,大学院での指導院生の米山智彦さんのポスター発表の引率兼発表の応援,必要時の通訳という役割であった.研究発表を通じて私たちが開発してきた認知症の人の作業療法のための観察評価である「活動の質評価法(Assessment of Quality of Activities:A-QOA)」の国際的広報も一つの目的であった.A-QOAは,認知症等で自身のニーズの同定や言語表出が困難である人に対して,活動の遂行時の観察からその活動と対象者の結びつきの強さを評価する評価方法である(A-QOAホームページ参照;https://www.a-qoa.com/).今回の発表内容は,認知症の重症度別で分けた群間でどのように活動中に観察される反応が異なるかというものであった.本学会では,現地での対面発表のポスター数が少なかったこともあり,多くの世界の研究者や臨床家とA-QOAやこの研究についてディスカッションをすることができた.興味をもってくれた人も多く,われわれの研究が世界に通じることも実感できた.ここ数年,対面での学会参加が難しいこのような情勢の中で国際学会に参加できたことは非常によい経験となった.
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