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Key Questions
Q1:新型コロナウイルス感染症で精神科医療機関の作業療法はどのような影響を受けたか?
Q2:新型コロナウイルス感染症で精神科医療機関の作業療法で工夫したこと・新たに取り組みはじめたことは?
Q3:Withコロナ時代の精神科医療機関の作業療法は?
はじめに
島根県西部に位置する人口約5万人の浜田市にある当院は,402床を有する精神科病院である.二次医療圏の浜田圏域唯一の精神科救急医療施設として,さまざまな医療サービスの提供を行っている.法人内には,サテライトクリニック,就労支援,在宅ケア等の相談・福祉サービス事業所等があり,「自由・開放・科学」という法人理念のもと,職員の自由な発想や企画の尊重,精神疾患を経験した人が社会で認められ活躍できるための支援,科学的根拠に基づいた医療の提供に取り組んでいる.
現在,法人内には20名のOTが在籍しており,精神科救急病棟等の急性期入院患者や療養病棟等の慢性期入院患者対象の作業療法をはじめ,外来作業療法,うつ病リワーク,精神科デイケア,一般就労支援のIPS(individual placement and support),在宅訪問支援のACT(assertive community treatment),就労継続支援事業等,幅広い精神医療・福祉サービスの現場でOTが業務に当たっている.
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まり3年目になる.この2年半,島根県は全国的にみると感染者数は少なく,大都市圏でみられたような感染拡大には至らなかったものの,それでも当院でもさまざまな対応に迫られた.さらに2022年(令和4年)7月に入り島根県内で感染者数が急増し,人口10万人当たりの感染者数で全国2番目となる日が続いている.
この2年半,社会全体での対応の方向性は,当初は感染の封じ込め,その後は感染抑制,被害抑制と変化しつつあるものの,精神科医療機関としては感染予防への対応が絶えず中心になると思われる.感染症への理解と感染対策が確立するにつれて,精神科医療の現場で作業療法のあり方を模索し,変化したこと,新たに取り組んだことを報告する.
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