「できる作業」への支援と環境づくり

　日本作業療法士協会の「作業療法」の定義が2018年（平成30年）に改訂され，その註釈の中に「作業に焦点を当てた実践には，心身の機能回復，維持，あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と，その作業自体を練習し，できるようにしていくという目的としての作業の利用，およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれる」との記載がある．自分が過ごしてきた37年間の作業療法を振り返ると，今この言葉がとてもしっくりくる．今回このような機会をいただいたので，これらについて自分の経験を基に話をしたい．