特集 作業療法士の働き方カタログ
—管理職として働く①—少数派として管理職になること
岸 雪枝
1
Yukie Kishi
1
1兵庫医科大学病院
pp.652-653
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202569
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はじめに
近年,OTの増加に伴い,OTが管理業務を担うことが増えてきた.しかし,一般社団法人日本作業療法士協会(以下,OT協会)会員の平均年齢が約35歳という中,若くして突然管理職に登用され戸惑う人も多いのではないだろうか.筆者もその一人であった.宇田1)や深津2)が述べているように,OTは卒前教育で管理教育を学んだことはほぼなく,手探りで実践をしているのが現状であろう.また,有資格者の6割が女性にもかかわらず,OT協会での代議員や協会役の女性割合が20%に満たないことを踏まえると,現場でも男性の管理職が多いことは想像に難くない.本稿の依頼があったとき「なぜ私に?」と思った.管理職としての経験や知識は浅く,教示できるようなことはもち合わせていない.現在,筆者は総合病院に勤務しており,臨床は精神科での実践が中心だが,OT,PT,STの管理業務を担っている.これだけでも異色だが,男性が7割以上を占める部署において,女性で,かつ3人の子育て中の管理職はめずらしいであろう.こんな特異な事例が参考になるかはやはり疑問だが,筆者のこれまでを振り返り,管理職について考えていきたい.
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