病院管理フォーラム 看護管理=病院のDON・13
看護職の賃金管理
小山 秀夫
1
1国立医療・病院管理研究所医療経済研究部
pp.58-59
発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903459
- 有料閲覧
- 文献概要
⦿看護職の賃金体系
病院の看護職の賃金体系は,病院の設立種別によりかなり差がある.賃金は,職員がその労働の代償として受ける報酬である.給与形態には,一般に勤続や経験を重視する「年齢給・勤続給」,仕事の価値を重視する「職務給」,職務遂行能力を重視する「職能給」,仕事の成果を重視する「業績給」などの考え方がある.一般的に賃金は,基本給,扶養手当,勤務手当,住宅手当,通勤手当などの所定内賃金と残業手当(超過勤務手当)などの所定外賃金で構成される.
看護職の賃金に差があるといっても,勤続年数・経験に応じた年功序列型をとっていることが多い.1995年の日本看護協会による調査によれば,調査対象者の病院の6割以上が,国家公務員医療職俸給表(三)を適用しているか,もしくはこれに準じて上下させた給与表を基にしている.国家公務員俸給表は,行政職,医療職,教育職,研究職などの職種ごとに俸給表があり,等級と号俸により基本給を規定している.医療職は,医師が(一),医療技術者(二),そして看護職(三)という俸給表を適用している.国家公務員俸給表は,民間給与の実態を考慮して人事院が勧告して,政府が決定してきた.国家公務員医療職俸給表(三)を適用する看護職の給与は,級号俸による俸給支給額(基本給),扶養手当,調整手当(地域加算),特別調整額(管理職手当),住居手当,超過勤務,特別勤務(危険手当),寒冷地手当,宿日直手当,通勤手当を合計して毎月支払われる.このほかに期末・勤勉手当(賞与・ボーナス)が,夏期,冬期,年度末に支給される.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.