特集 脳腫瘍と作業療法
コラム:脳腫瘍患者会(NPO法人脳腫瘍ネットワーク)について—作業療法士へ望むこと
ガテリエ ローリン
1
1NPO法人脳腫瘍ネットワーク
pp.257-259
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202438
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原発性脳腫瘍の診断を受けた患者は,自分のために急きょ結成される医療チームに支えられつつも,短期間での大きな意思決定を余儀なくされます.日本では原発性脳腫瘍は希少がん(原発性脳腫瘍の中で最も患者数の多い神経膠腫でさえ,年間10万人当たり6例未満)であり,発症率の多いその他のがんに比べ,薬剤開発がはるかに遅れています.2021年(令和3年)1月現在,神経膠腫の中でも悪性度の高い,初発の膠芽腫(glioblastoma:GBM)に対して臨床ガイドラインで推奨レベルが最も高い(エビデンスレベルがA)薬剤はテモゾロミドのみ1)で,脳腫瘍全体に対して承認されている薬剤も数剤のみです.また,治療は可能なかぎり開頭手術により腫瘍を摘出をすることとなっています.がんにより,命の危機に瀕することは,誰にとっても恐怖といえますが,脳腫瘍患者には開頭手術もまた大きな不安要素として加わります.
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