提言
層を厚く
田平 隆行
1
Takayuki Tabira
1
1鹿児島大学
pp.404-405
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202078
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臨床,教育,学術,地域活動,運営,すべての領域においてOTは活躍しなければならない.それぞれの領域において能力および専門性の高いOTが牽引しているが,ある特定の個人が中心的に活躍しても,OT全体の質の向上につながらないのは周知のごとくである.しかし,運営側や社会はある一定の能力や専門性を判断して,人選,推薦することは往々にしてある.つまり,活躍できる層の厚さが必要である.
プロスポーツでは,控え選手がレギュラーと同等およびそれ以上であると,監督はさまざまな作戦を考えられるし,レギュラーに故障があっても,戦力は低下しない.控え選手も個性を活かせる状況で出番がある.このような組織は,同じプロである作業療法業界でもできるはずである.「仕事はできる人に回ってくる」では,その仕事の質は,その人のキャパシティーに強く影響されるのみならず,仕事量や質の二極化を助長する危険性もある.
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