特集 第10回社会医学研究会
印象記
幅広い企画と層の厚い参加を
pp.703
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203998
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"保健所の基本的矛盾""住民の健康を守る運動"が要望課題として取り上げられた第10回社医研は7月26,27日の両日,名古屋科学館でひらかれた.参加者のなかに保健婦がきわめて多数みられたのは"保健所の基本的矛盾"にもよるのであろうか."国の保健財政の分析からみた保健所問題"にも報告されているように,低医療費政策ととかく批判のまとになる医療関係費ののびに比較してさえ,まったく横ばいを続ける保健財政から明確にされた保健行政に対する国の姿勢.その行政下にあえぐ保健所を母体とする彼女たちの敏感な嗅覚によって,保健所行政の再検討が繰り返されても,現実的に好転するきざしがみえるどころか,かえってじり貧になる保健所業務のなかに,何らかの歯止めを求めていることの証拠でもあろう.
第一線保健婦の手になる東京都心の"ふきだまり"に発生する事例の数々は,今後予算,人員,業務量の板ばさみになっていよいよ深刻さを加える大都会の保健問題への大きな警鐘であると共に,健康を守る立場に立つ第一線保健所の必要性,都会における保健婦活動のあり方,都市型保健所の方向を改めて考えさせられるのである.日本一暑い名古屋,その"伊勢の夕凪ぎ"文字通りうだるような部屋に,50人からの参集した人々が汗をたらしながらの自由集会"革新首長下における保健行政をめぐって".
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