Japanese
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症例報告
長期無菌病棟入院後に母親役割再獲得を果たした急性骨髄性白血病の1症例
Mother's role re-acquisition of a patient with acute myelogenous leukemia after long-term hospitalization
渡邉 知美
1
,
結城 士
1
,
山増 正樹
1
,
松本 充寿
1
,
藤本 亜希
1
,
水落 和也
1
Tomomi Watanabe
1
,
Tsukasa Yuki
1
,
Masaki Yamamasu
1
,
Mitsuhisa Matsumoto
1
,
Aki Fujimoto
1
,
Kazuya Mizuochi
1
1神奈川県立がんセンター
キーワード:
白血病
,
造血幹細胞移植
,
母親役割
Keyword:
白血病
,
造血幹細胞移植
,
母親役割
pp.394-397
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202073
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Abstract:急性骨髄性白血病にて造血幹細胞移植後,無菌病棟へ長期間入院した40代女性に対する作業療法を行った.薬剤性末梢神経障害による手指のしびれ,筋力低下,巧緻機能低下がある.母親役割を果たせず,長期入院への焦りを募らせ,治療への意欲が低下していた.作業療法では活動と参加に焦点を当て,母親役割の再獲得を目標に,本人の希望でもある調理動作の自立,上肢機能の向上を目指した.手指のしびれに対する経皮的電気刺激療法,上肢筋力強化,巧緻機能訓練,調理動作練習に加え,もともと好きな活動である折り紙や切り紙を導入した.作業療法開始1カ月後の外泊では調理をし,家族で久しぶりに食卓を囲み,母親役割を果たすことができた.活動と参加,社会的役割に焦点を当て,目標を設定したことで母親役割の実践が可能となった.患者とセラピストが明確な目標を共有し,作業療法を行うことで望ましい結果が得られた.
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