昭和の暮らし・第40回
モノの値段から暮らしが見える—テレビとラジオ
市橋 芳則
1
1北名古屋市歴史民俗資料館
pp.398
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202074
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紙切れに出合う.財布の中,引き出しの奥,何年も使っていなかったかばんの中.そんな所から,捨てたはずの領収書が.薄っぺらな紙切れではあるが,いつ何をいくらで買ったかを明確に記録しているという点で,暮らしを知る貴重な手がかりでもある.
写真は,1958年(昭和33年),5万3,000円のテレビの領収書と,1959年(昭和34年)のNHKテレビとラジオの受信料領収書だ.テレビの受信料は今でも納めているが,ラジオ放送にも受信料が必要だった.昭和34年第1期分,4月から6月までの3カ月のラジオ受信料が255円.年間1,020円,月85円ということになる.この領収書を資料館で展示してみたところ,やはり「ラジオに受信料がいるの?」と驚く若者が多かった.1968年(昭和43年)4月には,ラジオの受信料は廃止された.
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