白血病診療essentials 日常臨床に必要な最新の診断と治療
白血病治療の最前線 急性骨髄性白血病
菊池 拓
1
,
宮脇 修一
1慶応義塾大学 血液内科
キーワード:
Cytarabine
,
Daunorubicin
,
Idarubicin
,
同種移植
,
腫瘍多剤併用療法
,
白血病-急性骨髄性
,
寛解導入
,
造血幹細胞移植
,
大量薬物療法
,
Clofarabine
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Daunorubicin
,
Cytarabine
,
Remission Induction
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Transplantation, Homologous
,
Idarubicin
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
,
Clofarabine
pp.233-240
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010289028
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AMLは骨髄球系造血細胞に由来する悪性腫瘍である。病態や予後に染色体・遺伝子変異が深く関与し、それらを基に層別化が可能である。AMLの治療理念は白血病細胞を根絶するtotal cell killである。寛解導入療法後で約80%のAML患者が寛解に到達するが、全体ではAML患者の30~40%が長期生存を得られるにすぎない。再発が治療失敗の原因としてもっとも多い。同種造血幹細胞移植はもっとも強力な寛解後療法であるが、その適応については層別化により適切に施行する事が可能になりつつある。高齢者には治療強度の強い治療が困難な場合があり、新規薬剤により治療成績の改善が期待される。AMLは多様な疾患群であり、さまざまな予後因子に分けて層別化治療をする事が治療成績の向上につながる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010